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オフィス回帰で会議室が足りない!会議室不足を解消するためのアイデア

オフィス回帰で会議室不足が深刻化しています。テレワークでオフィスへの出社を減らした企業の出社回帰傾向が顕著となったことから、オフィスの会議室不足が深刻化しています。本記事では、会議室不足の現状や課題、解決策について詳しく解説します。

オフィス回帰で会議室が足りない!会議室不足を解消するためのアイデア

オフィス回帰による会議室不足の現状

オフィス回帰企業の増加とその背景

新型感染症の影響が収束し、世界的に多くの企業でオフィス回帰が進んでいます。

2023年8月、オフィス不要論の先駆者であったはずのZoom Video Communicationsが、従業員に対し、オフィスに復帰するよう呼びかけていることが明らかになりました。

米ビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは従業員に対し、オフィスに復帰するよう呼び掛けている。同社は新型コロナウイルス禍の在宅勤務時代にもてはやされた。
ズームのオフィス近くに住む従業員は週2日出社しなければならないと、同社の広報担当者は発言。「ハイブリッドのアプローチ」がズームにとって最も効果的だとし、それにより「当社は自らのテクノロジーを活用し、技術革新を続け、世界の顧客をサポートするより良い位置」にいられると説明した。

ズーム、従業員にオフィス復帰要請 リモート勤務時代の衰退示唆 (Bloomberg) 

リモートワーク時代の象徴であった企業の急激な方針転換に、オフィス回帰論が高まるのではないか?と話題となっています。では、足元の日本の状況はどうなっているのでしょうか?

株式会社RECEPTIONISTによる2023年1月実施調査によれば、アンケートに回答した一般社員400人中、週5回が50%超、週3回以上も含めれば70%超が出社していることが明らかになっています。

こうしたオフィス回帰の背景として、対面でのコミュニケーションの重要性に再度注目が集まり、社内連携の強化を必要としている企業が増えていることが容易に想像できます。

オフィス回帰最大の課題は「会議室不足」

しかし、このオフィス回帰が進む中で新たな課題も浮上しています。それが、会議室不足の問題です。コロナ禍で面積を縮小したオフィスに対し、出社する社員が増え続けることで、会議室の不足が一般社員にとって切実な課題となっています。

先ほどのRECEPTIONIST調査によれば、一般社員の31%が会議室の予約や利用に課題を感じており、その理由として

  • 「会議室が足りない」 51.6%
  • 「予約が取れない」 46.8%
  • 「予約に手間がかかる」 38.7%

が挙げられました。これらの課題は、日常業務の効率化や生産性の向上といった観点からみても、早期解決が求められる問題です。

会議室不足は単なる働き方の不便に留まらず、ビジネスへの深刻な影響をもたらしています。

株式会社RECEPTIONIST「【調査レポート】オフィス回帰で新たな課題、『会議室足りない』が5割」

会議室不足がもたらすビジネスへの影響

調査では、会議室が足りない場合にビジネスパーソンがどう対応しているかについて、

  • 「会議日時を変更する」22.4%
  • 「リモートで会議を行う」13.8%

という結果が出ました。このような状況は、計画の遅れ、クライアントとのコミュニケーションの遅延、社内の意思決定の遅れなど、様々なレベルでのビジネスの機会損失や生産性の低下を引き起こしています。

会議室不足の問題は、企業全体の成長と競争力にも直接影響する重要な課題であるといえます。

会議室不足が引き起こすネガティブな影響

会議日時の変更

会議室が足りない場合、22.4%が会議日時を変更していますが、この変更が生じることで、関係者のスケジュール調整に追加の手間が発生し、他の業務に支障をきたします。

特に、複数部署間での会議など、多くの関係者が絡む場合、会議の再調整は複雑になりがちで、その結果プロジェクト全体の遅延につながることも少なくありません。

リモート会議への切り替え

会議室が確保できず、日程の再調整が許されない場合、13.8%がリモートで会議を行うという対応を取っています。

リモート会議は柔軟性がありますが、オフィス内での対面会議と比べ、非言語コミュニケーションの欠如や技術的な問題などが生じることがあります。これらの要素は、チーム間の信頼構築やクリエイティブな議論の障壁となり得ます。

リモート会議の強制的な切り替えは、これらの重要な要素の損失につながる可能性があります。

生産性の低下と機会損失

会議室の不足は生産性の低下を招くだけでなく、ビジネス上の機会損失にもつながります。

会議の遅延やキャンセルにより、プロジェクトの進行が遅れ、結果として市場参入へのタイミングを逃すことがあるかもしれません。また、クライアントとの重要な会議がスムーズに進まないことで、取引の遅滞や信用失墜のリスクも発生します。

これらの問題は、会社の成長や市場での競争力に影響を及ぼすため、会議室不足の問題解決は急務と言えるでしょう。

会議室不足解消のためにすぐにできること

予約システムの導入と利用状況の可視化

会議室不足の解消に向け、予約システムの導入と利用状況の可視化は効果的な手段です。専用の予約システムを導入することで、社員間での会議室の利用状況をリアルタイムで確認することができます。

これにより、社員は他のメンバーがどの会議室をいつ利用しているかをすぐに把握でき、自分の予定に合わせて適切に予約することができます。また、システムには利用履歴の分析機能を追加することで、どの会議室がどれだけの頻度で利用されているかを分析し、未来のスケジューリングに活用することも可能になります。

会議室の無駄な使用の確認

会議室の不足は、実際の使用率が高いからだけでなく、無駄に使われている場合も引き起こされます。例えば、会議がキャンセルされた後に会議室の予約が解除されずに空き部屋がそのままになってしまうケースなどです。

このような無駄な使用を削減するためには、定期的に会議室の使用状況をチェックし、無用な予約がないか確認することが効果的です。そのためにも、予約システムの導入が必須の前提条件となります。

早めの会議室確保と社員への周知

会議室の利用に際し、早めの予約が重要です。特に大規模な会議やクライアントとの重要なミーティングなどは、できるだけ早めにスケジュールを固定し、会議室の確保を行うべきです。

このためには、管理者からの周知活動が欠かせません。メール通知、社内ポータルの掲示などを通じて、社員に対し会議室の早めの予約の重要性を強調し、社内全体での意識改革を促進することが求められます。早めの予約によって、急な会議の際でも余裕を持って会議室を利用できるようになります。

今後採用を検討すべき解決策と期待される効果

会議室の増設とそのタイミング

ザイマックス総研の調査「コロナ禍で変わるオフィス面積の捉え方(2022年)」では、コロナ禍から脱し始めた2022年時点で出社率は回復の兆しを見せていたにもかかわらず、出社一人当たりの席数はむしろ削減されていた実態がわかっています。

一度解約したオフィスは、問題が収束したからといっても簡単に増床できるものではないということが、数字面からもわかります。

しかし、今後ますます出社率が高まり、会議室不足が長期化すれば、会議室の増設等のためにオフィスを再度拡張することは避けて通れない課題となるでしょう。そうした増床をいつ行うかの判断とタイミングが重要です。

  • 会議室の使用率
  • 予約状況
  • 従業員数の拡大予測

などのデータ分析に基づいて、適切な時期と規模での増設を検討することが求められます。急遽の増設だとコストがかさむ可能性があるため、早めに計画を立てることで予算を効率的に活用することが可能となります。

オフィスの効率化への取り組み

会議室不足問題は、単に会議室数の問題だけでなく、オフィス全体の効率化が必要なサインでもあります。

効率的な空間利用を図るため、フレキシブルなデスク配置や多目的スペースの設置など、オフィス全体のレイアウトの見直しを検討すべきです。

また、職員の働き方改革と連動させて、リモートワークとオフィスワークのバランスを最適化することも重要な解決策となるでしょう。

社員とのコミュニケーション強化による適切な会議室利用

社員間のコミュニケーションの不足は、会議室の不適切な利用を引き起こすことがあります。

定期的なフィードバックやオープンなコミュニケーションの場を設けることで、社員同士の協調性を高め、会議室の効率的な利用を促進します。

社員が予約のルールや利用のマナーを共有し、お互いのニーズに応える文化を築くことが、長期的な解決に繋がります。

リモート会議と対面会議の最適な組み合わせ

リモート会議と対面会議の最適な組み合わせは、会議室不足の解消だけでなく、労働の効率化や柔軟な働き方の実現にも寄与します。

リモート会議は地域や時間の制約を取り除くため、対面会議ではなくリモート会議を選ぶべきシーンを明確にし、それを周知することが重要です。最先端のテクノロジーを活用してリモート会議の品質を向上させ、どちらの形態でも効果的なコミュニケーションができるような環境づくりが必要でしょう。

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