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職場で会議が多すぎる 5 つの理由とその解決策

職場で会議が多すぎると感じたことはありませんか?その背後には上司のマネジメントスキルが問題である可能性が高いです。本記事では、無能な上司が無自覚に増やしてしまう会議の5つの理由を深掘りします。それぞれの理由に対する具体的な解決策も提案し、会議の効率を向上させるための手法を探ります。会議の多さが生産性を下げるだけでなく、社員のモチベーションにも影響を与えることから、この問題の解決は急務です。

職場で会議が多すぎる 5 つの理由とその解決策

目次

職場で会議が多すぎるのは、上司が無能な証拠

無能な上司が引き起こす会議の増加

会議が多いと感じるのはあなただけではありません。この問題の背後にはしばしば「無能な上司」が存在します。

無能な上司は、計画性がなく、しっかりとした管理手法を持っていないため、部下とのコミュニケーション手段として「会議」を選びがちです。このような上司は、自分が何をすべきかわからず、それを隠すためにも会議を増やします。

その結果、部下は無駄な会議に追われ、本来の仕事が疎かになります。

多発する会議がもたらすネガティブな影響

無駄な会議が増えると、何が失われるでしょうか。改めて考えてみましょう。

  1. 時間:会議の準備、参加、フォローアップに多くの時間が割かれます。
  2. エネルギー:無駄な会議は疲れを増幅させ、創造的な仕事に対するモチベーションを削ぎます。
  3. お金:会議が行われている間にも、他の重要な業務が停滞し、企業全体の生産性が低下します。

無能な上司が気づいていない会議増加5つの理由

無能な上司は、以下のような理由から会議の増加を加速させます。

  • 理由1:未熟な社員にも安易にリモートワークを認める
  • 理由2:会議によって部下を管理できると思っている
  • 理由3:タスク管理が下手
  • 理由4:意思決定が遅い
  • 理由5:「会議自体が仕事」という間違った文化・風土を放置する

このような無能な上司の特徴を理解することで、問題解決への第一歩を踏み出すことができるでしょう。それぞれの理由について、次のセクションで詳しく見ていきます。

無能な上司が放置する会議増加5つの特徴

理由1:未熟な社員にも安易にリモートワークを認める

このタイプの上司の特徴

このタイプの上司は、表向き新しい働き方に対してオープンな姿勢を持ち、部下の特性を見極めずに簡単にリモートワークを認めてしまいますが、それが裏目に出るケースが多いです。

リモートワークを、その人物特性や経験を深く考慮せずに認めてしまうことは、結果的には無駄な会議が増える原因を作り出しています。未熟な社員に対して認めるべきでない「自由」を本人の主張に安易になびいて認めてしまい、手をこまねいていることが多いです。

社員個々のスキルレベルや自己管理能力を考慮する余裕がないため、適切なガイダンスやフレームワークを提供できない状態が続きます。

安易にリモートワークを認めるとどうして会議が増えるのか

未熟な社員に対して安易にリモートワークを認めると、その社員はタスク管理やコミュニケーションに困難を感じる可能性が高くなります。

一般社団法人日本テレワーク協会の調査でも、コロナ禍以降、ウェブ会議の増加によって総労働時間が増えたことをレポートしています。

2020 年はコロナ対策としていわば半強制的にテレワークが実施された極めて特殊な年だ。初めて Web 会議やチャットを経験したという人が多く、管理職においてはリモートでのマネジメントスキルを一から身につけなくてはならない状況にあった。2020 年以前であれば、オフィスでの立ち話で済んだ相談や退出時間が決まっている会議室での打合せが、都度会議の設定が必要で時間の延長が容易な Web 会議に置き換わった。さらに Web 上での 1on1 の増加や不慣れなマネジメントなどが重なり、特に管理職においては朝から晩までスケジュールが Web 会議で埋まり、結果として長時間労働になるという傾向が見られたという。

一般社団法人日本テレワーク協会「新展開を迎えた働き方改革・テレワーク推進~コロナ下における課題と取組~

新入社員や経験が少ない社員は、リモートワークの環境下で何をどうすればよいのかがわからなくなりがちです。それを補うために周りの社員がサポートしなければならず、しかし当の本人がオフィスに居ないので、その結果としてウェブ会議が増えてしまうわけです。

会議はコミュニケーションの手段の一つですが、それだけでは効率的な業績向上は望めません。

解決策—リモートワークは3年以上勤務し信頼と実績のある自立した社員のみに認める

リモートワークは確かに柔軟な働き方を提供しますが、それはある程度の自己管理能力と責任感が必要な働き方でもあります。

したがって、3年以上勤務して信頼と実績が確認できる自立した社員に限ってリモートワークを許可することが一つの解決策です。このような社員はすでに業務に慣れて自立しているだけでなく、社内で誰が何を知っているか、誰に聞けば情報が手に入るかもわかっているので、リモートワークであっても高い生産性を維持できる可能性が高いです。

この解決策を導入することで、会議が増加するリスクを減らし、企業全体の生産性を向上させることが可能です。また、未熟な社員にはオフィスでの勤務を推奨し、適切なトレーニングとフォローアップを行うことで、その成長を促す方針も併用するとよいでしょう。

理由2:部下を管理するマネジメント手段が会議であると勘違いしている

このタイプの上司の特徴

このタイプの上司は、会議が部下のマネジメントに関するすべての問題を解決する万能のツールであると考えがちです。

多くの場合、彼らはコミュニケーション能力に自信を持っているものの、その手法が古いか、あるいは非効率的であることに気づいていません。彼らは会議を通じて部下を「よく見ている」、と自分に言い聞かせ、その結果として部下たちを疲弊させます。

顕著な特徴としては、何でも会議を開くことで解決しようとする傾向があります。問題が発生すると、その解決策としてすぐに会議をスケジュールします。

部下の管理手法として会議が向いていない理由

部下の管理手法として会議が不適切である主な理由は、効率の悪さです。

会議は多くの人のスケジュールを合わせる必要があり、その時間は他の具体的な作業ができる時間を奪います。さらに、会議が長引けば長引くほど、参加者は疲れて集中力を失い、最終的には生産性が下がってしまいます。

会議は必要な情報の共有や意見交換には有用ですが、日常的な管理や業務の進捗確認には不向きです。

解決策—会議以外の部下管理手法を学ぶ

会議が非効率な場合には、他の部下管理手法を導入するべきです。具体的な手法としては、

  • 情報共有のためのテクノロジー・デジタルツールの活用
  • 週次や月次での個々の進捗確認
  • 必要な場合にだけ1対1での対話時間を設定

といった方法が考えられます。

これにより、部下は具体的なタスクに集中する時間が増え、結果として生産性も向上します。上司もまた、会議を頻繁に開かなくても状況を把握できるので、より戦略的な業務に時間を割けます。

部下の成長を促す具体的なフィードバックも、これらの代替手法を使って効率的に行うことができます。

理由3:タスク管理が下手

このタイプの上司の特徴

タスク管理が下手な上司は、しばしば業務のプロセスが混乱しています。

こうした上司は、タスクの優先順位が不明瞭であったり、細かすぎる業務に手を出して結果として本来の仕事が停滞する場合が多いです。一つ一つのタスクに対する明確な指示や期限が不足しているため、部下は自分で仕事の進め方を判断しなければならず、結果として業務の効率が低下します。

この種の上司は、業務の整理を会議で行おうとする傾向がありますが、それがさらに問題を引き起こします。

タスク管理のための会議はかえって非効率

タスク管理のために会議を開くことは、多くの場合で非効率です。

何故なら、会議の中で各タスクについて深く議論する時間が取られ、その間に実際の仕事が滞ってしまうからです。また、タスク管理は通常、具体的な行動とその期限、そして責任者を明確にする作業であり、これは会議無しでも十分に行える業務です。

さらに、会議が終わった後も、その決定事項を文書化して共有する必要があり、これがまた追加の時間を取ってしまいます。

解決策—未熟な部下のタスク管理はツールでゴール・期限・進捗プロセスを共有する

効率的なタスク管理のためには、専用のツールを使用することが推奨されます。

多くのタスク管理ツールでは、各タスクのゴール、期限、進捗状況を簡単に共有・確認できます。これにより、部下も自分の仕事と責任を明確に理解し、それに応じて行動できるようになります。未熟な部下に対しては、これらのツールを使って頻繁にフィードバックを与え、彼らが自立してタスクを管理できるように指導します。

このようにして、会議に頼らずとも効率的なタスク管理が可能となります。これは、部下だけでなく上司自身の業績にも寄与する重要なステップです。

理由4:意思決定が遅い

このタイプの上司の特徴

意思決定が遅い上司は、しばしば迷いや不確実性に満ちたリーダーシップスタイルを持っています。

このような上司は、明確な方向性を示すことなく、多くの意見や情報を集めることに時間をかけすぎる傾向があります。具体的な行動に移る前に無限にデータや意見を集めたがるため、部下は仕事の進行に困惑しやすく、結局、多くの会議が開かれる結果となります。

これは業務効率を大きく低下させ、部下のモチベーションにも悪影響を及ぼします。

会議で意思決定できない理由

会議で意思決定ができない主な理由は、このタイプの上司が持つ不確実性と情報収集への過度な依存です。

会議は本来、複数の人が一堂に会し、問題を共有し、最適な解決策を見つけ出す場であるべきです。しかし、意思決定が遅い上司がいると、会議は単なる「情報の収集」や「意見の交換」の場に留まりがちです。

具体的なアクションプランが出てこないため、会議後も問題は解決せず、さらに新たな会議が必要となります。

解決策—上司の成果とは、会議で情報を統合しその場で意思決定することだと自覚する

効果的なリーダーシップのためには、上司自身が「会議での意思決定」に重きを置く必要があります。

そのためには、まず、会議の目的とアジェンダを明確にし、関係者に事前に共有することが重要です。これにより、会議の時間内に具体的な問題解決に専念できます。

次に、会議で得た情報と意見を迅速に統合し、具体的な行動プランを決定するスキルを身につける必要があります。これはリーダーとしての成果であり、部下もこれを評価するでしょう。

最後に、決定したアクションプランには明確な期限と責任者を割り当て、進捗状況を定期的に確認するようにします。このようにして意思決定のスピードを上げることで、無駄な会議を減らし、業務効率を高めることが可能です。

理由5:「会議に出て座っていれば給与が支払われる」という間違った風土を放置する

このタイプの上司の特徴

このタイプの上司は、一見、寛大なリーダーのように見えますが、その寛大さは往々にして業績に悪影響を与える場合があります。会議の多さが作業効率を落とすことを理解していない、もしくは理解していてもそれを許容している傾向があります。

具体的には、部下が会議に出席しているだけで仕事をしていると評価するため、仕事の質や成果が二の次になります。この結果、社員は会議での出席と発言が「仕事」であると誤認し、真の成果を生む活動が後回しにされがちです。

会議に出席させている部下の時間あたりの給与額を足し算してみよう

もし、あなたがこのタイプの上司であれば、一度立ち止まって、会議に出席する時間に、部下一人一人がどれだけの給与を受け取っているのか計算してみてください。さらに、その合計額と会議での成果を比較してみると、驚くほどの非効率が明らかになるでしょう。

例えば、10人の社員が1時間の会議に参加し、その平均時給が3000円だとすると、その会議は企業にとって最低でも3万円のコストがかかっています。その会議で得られる成果がこのコストを上回るものでなければ、その会議は即座に見直すべきです。

解決策—かけたコスト以上の成果が出せていない会議は即刻廃止する

コストと成果のバランスが取れていない会議は、組織にとって大きな負担です。そのような会議は即刻廃止するか、必要最小限に留めるべきです。

まず、会議の目的と期待される成果を明確にし、それを達成するためには何が必要かを詳細に検討することが重要です。次に、会議の代わりにできるコミュニケーション手段(例:電子メール、チャット、報告書など)を検討し、それが適用できる場合は積極的に採用するようにしましょう。最後に、会議が本当に必要と思っても、勇気をもって辞めてみることも重要です。

Shopifyがこのようなショック療法とも言える「カオスモンキー」アプローチを採用したことが話題になりましたが(関連記事:Shopifyが無駄会議の撲滅に成功した方法—「カオスモンキー」アプローチ)、多少のショックを与えてでも、会議にかかるコストを従業員が意識する風土を醸成すべきでしょう。

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