会議のファシリテーションですぐに使える・役立つ「魔法の言葉10選」
会議のファシリーテーションは、議論を円滑に進めるために非常に重要な役割を果たします。その中でも、適切な言葉遣いは参加者の意見を引き出し、ディスカッションを活性化させる鍵となります。本記事では、「会議のファシリテーションですぐに使える・役立つ魔法の言葉10選」を紹介します。これらの言葉を駆使することで、議論の焦点を絞り込んだり、意見の対立を解消したり、具体的な行動につなげることが可能になります。
目次
- ファシリテーターが会議を上手にコントロールするための「魔法の言葉」
- ファシリテーターなら知っておきたい「魔法の言葉10選」—使用前と使用後も比較
- 1. 「それについてどう思いますか?」- 意見交換を促進する
- 2. 「他に意見はありますか?」 – 提案やアイデアを引き出す
- 3. 「具体的な例を挙げていただけますか?」 – 抽象的な話題を具体的にする
- 4. 「それを他の視点から見るとどうでしょうか?」 – 多角的な考え方を促進する
- 5. 「この議題について最も重要だと思うポイントは何ですか?」 – 議論の焦点を絞り込む
- 6. 「それを解決するためのアイデアは何ですか?」 – 問題解決に向けた具体案を引き出す
- 7. 「意見が分かれていますが、どのようにすればコンセンサスに達すると思いますか?」 – 合意形成のための議論を促す
- 8. 「時間が限られていますので、この議題について最後の意見をお願いします」 – 時間内に議論を締めくくる
- 9. 「次のステップは何になりますか?」 – 会議終了後の行動計画を立てる
- 10. 「私たちはこの会議で何を学びましたか?」 – フィードバックを得る
- まとめ
ファシリテーターが会議を上手にコントロールするための「魔法の言葉」
会議におけるファシリテーションの重要性
ファシリテーションとは、グループによる会議やディスカッションがより効果的に進行するように、それをコーディネート、進行する技術や役割のことです。ビジネスシーンにおける会議や討議では、このファシリテーションが重要な役割を果たします。
ファシリテーションをする際には、服装や髪型が与える印象から、身振り手振り、そして表情なども気を遣う必要がありますが、最も重要なのはやはり「言葉」になります。特定のフレーズを使用することで、参加者の発言を促し、議論を深めることが可能です。
ファシリテーターを助ける「魔法の言葉」とは?
特にビジネスの現場では、どういった言葉を選び、相手にそれをどう伝えるかが結果に大きく影響を及ぼします。「魔法の言葉」は、会議中にファシリテーターとして発する言葉の中でも、全体の進行にプラスを及ぼす特に効果的な表現のことを指します。
では、皆さんは、会議をうまく運営するためのそうした「魔法の言葉」をいくつ持ち合わせているでしょうか?以下紹介するフレーズは、一見単純な言葉に見えますが、うまく使いこなせばその影響力は大きく、会議の進行を大きく左右する存在になることができます。
ファシリテーターなら知っておきたい「魔法の言葉10選」—使用前と使用後も比較
1. 「それについてどう思いますか?」- 意見交換を促進する
なぜ効果的なのか
「それについてどう思いますか?」という問いかけは、参加者に対して直接的に意見を求めるものです。この問いかけがあることで、それまで意見を述べる機会が少なかった参加者も発言しやすくなるでしょう。
実際の使用例
例えば、以下のような会議の場面でこの言葉を使ってみましょう。
使用前:「新プロジェクトの状況報告については以上です。」 使用後:「新プロジェクトの進行の遅れについて、⚪︎⚪︎さん、どう思いますか?」
明確に誰かを指名して具体的な意見を求めることで、会議が活性化されます。
2. 「他に意見はありますか?」 – 提案やアイデアを引き出す
なぜ効果的なのか
「他に意見はありますか?」という問いかけは、新たな視点やアイデアを引き出すための有効な手段です。この問いかけにより、これまで発表されていない提案やアイデアが参加者から寄せられる可能性が高まります。
実際の使用例
使用前:「以上が、事務局からの提案になります。これについてご意見あればお願いします。」 使用後:「この案について、他に意見はありますか? 新たな視点からの提案も歓迎します。」
このような問いかけが、参加者が積極的に意見を述べるきっかけになります。
3. 「具体的な例を挙げていただけますか?」 – 抽象的な話題を具体的にする
なぜ効果的なのか
抽象的な話題について「具体的な例を挙げていただけますか?」と問いかけることで、理解を深めることができます。参加者同士の理解度のズレ・誤解を避けることができます。
実際の使用例
使用前:「新しいマーケティング戦略を考えていきましょう。何かアイデアがある人はいますか?」 使用後:「新しいマーケティング戦略について、各人1つずつ他社が採用している戦略の具体例を挙げてみましょう。それにより、他のメンバーも理解しやすくなると思います。」
4. 「それを他の視点から見るとどうでしょうか?」 – 多角的な考え方を促進する
なぜ効果的なのか
同じ問題でも、視点によって捉え方が変わります。「それを他の視点から見るとどうでしょうか?」と問いかけることで、参加者が多角的な視点を持つことを促し、より深い議論を生み出すことができます。
実際の使用例
以下例にあるように、出てきたアイデアを顧客視点で捉え直してみると、往々にして発見があります。
使用前:「この案について、他に何か意見はありますか?」 使用後:「この案について、例えばお客様の視点から見るとどうでしょうか?」
5. 「この議題について最も重要だと思うポイントは何ですか?」 – 議論の焦点を絞り込む
なぜ効果的なのか
会議では多くの議題が提起されます。そして参加者の興味によって議論が散漫になることが少なくありません。「この議題について最も重要だと思うポイントは何ですか?」と問いかけることで、今どの議論をしているのかを参加者に思い出させ、焦点を明確にし、効率的な討議を可能にします。
実際の使用例
使用前:「今日の会議で挙がった議題について、皆さんの意見や感想をなんでも聞かせてください。」 使用後:「本日の会議の議題その1『⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎』の件について、各自が最も重要だと思うポイントは何ですか?結論を出す前に、それを明確にしましょう。」
6. 「それを解決するためのアイデアは何ですか?」 – 問題解決に向けた具体案を引き出す
なぜ効果的なのか
問題が明確になった時に「それを解決するためのアイデアは何ですか?」と問いかけることで、具体的な解決策の提案を促すことができます。
実際の使用例
使用前:「問題はクリアになりました。解決に向けて、今後も協力していきましょう。」 使用後:「⚪︎⚪︎さん、今日の会議で判明したこの問題を解決するための具体的なアイデアについて、何かお考えはありますか?どんな些細なものでも結構です。」
アイデアを人前で発表するのは、良し悪しの評価をダイレクトに受けることになるため、誰でも緊張するものです。それを解きほぐすために、「些細なアイデアで大丈夫」と付け加えてあげることがポイントです。
7. 「意見が分かれていますが、どのようにすればコンセンサスに達すると思いますか?」 – 合意形成のための議論を促す
なぜ効果的なのか
会議では意見が分かれることも多くあります。しかし、会議の結果合意に達して結論が出なければ、何も生産したことになりません。「意見が分かれていますが、どのようにすればコンセンサスに達すると思いますか?」と問いかけることで、参加者が共通の理解を得るための議論を深めるきっかけを作ります。
実際の使用例
意見が分かれた場合、そのまま放置をすると、自分の立場の意見がいかに正しいかを延々述べる自己正当化モードに入ってしまいがちです。ファシリテーターは、参加者がそのようなモードに入る前に、「会議とは合意こそがゴールだ」ということを再確認させる必要があります。
使用前:「皆さんの意見が分かれていますね。」 使用後:「意見が分かれていますが、どのようにすれば皆さんがコンセンサスに達すると思いますか?反対されている⚪︎⚪︎さん、提案をお願いします。」
8. 「時間が限られていますので、この議題について最後の意見をお願いします」 – 時間内に議論を締めくくる
なぜ効果的なのか
時間制限がある場合、「時間が限られていますので、この議題について最後の意見をお願いします」という問いかけをすることで、時間内に議論をまとめることができます。
実際の使用例
使用前:「そろそろ会議の終了時間です。よろしいでしょうか。」 使用後:「17:45になりました。残り15分と時間が限られていますので、この議題についてお一方ずつ、最後の意見をお願いします。」
ファシリテーターは、終了予定時刻の5〜10分前にはすべてが終わっている状態を目指して、タイムマネジメントを行うと良いでしょう。
9. 「次のステップは何になりますか?」 – 会議終了後の行動計画を立てる
なぜ効果的なのか
議論が一段落ついたら、「次のステップは何になりますか?」と問いかけることで、具体的な行動計画を明確にし、次回へのアクションを定めることができます。
実際の使用例
特に、会議の最後のラップアップのタイミングで、忘れずに次のステップまでに必要なタスクを確認し、担当者を決めておきましょう。
使用前:「では結論も出ましたので、本日の会議は終了とします。」 使用後:「議論がまとまったところで、次のステップに進むために準備が必要なタスクは何でしょうか?誰がいつまでにどのタスクを担当するか決めて、今日の会議を終えましょう。」
10. 「私たちはこの会議で何を学びましたか?」 – フィードバックを得る
なぜ効果的なのか
会議の終わりに「私たちは何を学びましたか?」と問いかけることで、参加者からのフィードバックを得ることができ、次回の会議の改善点を見つけ出すことができます。
実際の使用例
結論が出てホッと一安心したところで、振り返りを入れておくのが効果的です。
使用前:「今日の会議の結論を再確認しましょう。」 使用後:「今回の会議で私たちは何を学びましたか?改善すべき点があればおっしゃってください。」
まとめ
以上、「魔法の言葉」10選と、会議での実際の使用例をご紹介しました。
これらの言葉は、一見するとシンプルで他愛もないものに見えますが、適切に使うことで会議の流れを良くし、より効果的な結果を引き出すことができます。
それぞれの状況に合わせて、適切な「魔法の言葉」を選び、会議を上手にコントロールしてみてください。