#会議潜入 MeetingBase導入で会議の「間違い」に気付いたTECO Design。短時間で成果の出る会議にするためには?
リソース不足などからテクノロジーの活用に踏み切れない中小企業に向けて、SaaSの導入・運用支援サービスを提供しているTECO Design。事業の拡大とともに、抱えるプロジェクトや従業員も増え、社内で行われる会議の重要性も高まってきました。以前は他のミーティング支援サービスを活用していたものの、使い勝手などの問題からMeetingBaseへ移行、それによって新たな気付きが得られたようです。同社代表取締役社長の杉野様に話を伺いました。
せっかくメンバーを集めるなら、価値を生み出せる会議に
―最初に、現在の社内会議がどれくらいあるか教えていただけますか。
会議体としては19個あります。事業部の長が集まる報告会のような会議と、チームごとの会議、それに勉強会のようなものを定例的に実施しています。週1回開催がほとんどで、人数は数人程度から多くても10人といったところです。他に全社ミーティングも月1回行っています。
―MeetingBaseの導入に至った背景や理由について伺えればと思います。
以前から「会議」というものについてしっかり考えなければ、という思いはありました。そのため過去にも他社のミーティング支援サービスを複数利用していたのですが、サービスの提供終了や使い勝手の課題がありました。そんなときにMeetingBaseがリリースされたと聞き、試してみたという流れです。
初めは、最低限、以前使っていたミーティング支援サービスと同じくらいのことができればいいな、と思っていました。ところが、実際にMeetingBaseを使ってみたら「会議のやり方が間違っていた」ことに気付かされましたね。
―どんなところが間違っていたのでしょう?
最初にMeetingBaseで会議の内容を記録して後から振り返ってみると、結局何も決まっていなかったことに気づきました。1時間ある中で重要なことは最後の5分だけで、それ以外は単なる報告になっていたりもしました。せっかくメンバーを集めて会議をしているのであれば、そこで価値を生まなければ、と感じたんです。
MeetingBaseでは会議単位というより「アジェンダ単位」で管理できますよね。今までは他の案件も含まれた会議ごとの議事録に進捗や状況を書き込んでもらう形にしていましたが、その進め方を変えることにしました。
会議の進め方の「型」を作るためにアジェンダを立てて整理するところと、会議前に参加者があらかじめ読んでおくべき事柄を管理するところとを分けたい、とは思っていました。
事前に論点をまとめることで会議時間が余るほど効率化
―MeetingBaseはどのように活用していますか。
どこにどういった形で議事録を残していくのかを決めたうえで、事前に議論するポイントなどを会議前に必ずMeetingBaseにまとめておくようにしました。
僕が15分単位や30分単位で別の会議に参加することもあり、それに追われてしまうと自分自身のパフォーマンスが上がりません。でも、会議の前日までに論点などを整理してもらうようにすれば、あらかじめ内容を確認しておけます。さらに閲覧だけを目的にした報告用のものと、議論したい内容とを別で管理するようにも変えました。
―導入後の変化や改善を実感している部分がありましたら教えてください。
会議の時間が余るようになりました。会議前にみんなが論点を把握している状態なので、理解が早いんですよね。会議は基本30分にしていますが、それでも余ります。余った時間で久しぶりに顔を合わせた人同士が雑談したり、細かい点を質問し合ったりする時間も作れています。
ただ、MeetingBaseを活用しながら会議してみて、改めて適切なファシリテーターが必要だと感じるようになりましたね。会議をスムーズに進められて、何が決まったかを判断できるファシリテーターがいないと有益な会議にはなりにくいと思います。チームごとの会議ではファシリテーターを持ち回りにしているところもありますし、会議を練習の場にしてファシリテーターを担える人を増やしていくような活動もしているところです。
―MeetingBaseの機能のなかで便利に感じているものはありますか。
記号などを入力するだけで文書を整形できるマークダウンに対応していることですね。最近の文書管理ツールの多くがマークダウンに対応していますから、すでに慣れている方法で違和感なく使えるのはいいところです。書きやすいですし、コメントも残しやすいですよね。
あとはアジェンダ別で分類されるのがやはりすごいなと思います。これまでだと会議ごとにドキュメントを1つ作ることになって、会議中はその中にあるアジェンダをひと通り網羅しなければならないと思ってしまいます。が、MeetingBaseだとアジェンダごとに今決めるべきかどうかを個別に判断できるようになるんですよね。
MeetingBaseが会議のあり方を見直すきっかけに
―MeetingBaseを今後どんな風に活用していきたいと考えていますか。期待していることもありましたら教えてください。
会議の「質」を変えて、中身を濃くしたいですよね。非同期でコミュニケーションできるチャットツールなどもありますが、わざわざメンバーが1箇所に集まって会議するわけですから、その意味をブーストしたい。決めるべきゴールが見えていて、そこまでの過程を楽しみながら進めて、「会議をやってよかった」「意見を出し切った」とみんなが思えるような終わり方ができるといいなと。
当社はずっと僕がトップの文鎮型組織だったわけですが、最近は会議で他の参加者から積極的に意見が出るようになり、僕があまりしゃべらずに済むようにもなりました。行き詰まったときにもみんなで意見を出し合って、自分たちで判断できるようにもなってきたので、会議としての「質」は着実に上がってきていると思います。
以前なら「時間がないなら意見しなくていいか」で終わってしまっていたところ、時間に余裕ができたことで「でもそれってどうなんですか」と疑問を呈して細かい話もできるようになってきています。
―会議自体が悩みの種になっている企業に向けて、メッセージがありましたらお願いします。
業務の効率を上げたいのであれば会議をなくしてしまうのが一番いいと思います。でも、会議しなければいけない理由があるから、みなさん会議しているわけですよね。そうすると、本当に必要な会議と、そうでない会議を仕分けることが大事になってきます。
ただ、すでに定例化している会議を見直すような機会はほとんどありません。せいぜい重要な立場の人が退職したときや、新しい仕組みを取り入れるときくらい。その意味でも、MeetingBaseの導入は会議のあり方を見直すきっかけになります。
MeetingBaseに残された議事録を振り返ってみると、中身のない会議は明らかに「薄い」ことがわかるんですよね。そういうときはファシリテーターに後からアドバイスして改善を図ることもあります。MeetingBaseは意義のある会議を変えていくためのツールになっているとも感じています。
株式会社TECO Design
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