Web会議ツールTOP2のZoomとMicrosoft Teamsどちらを選ぶべきか?
Web会議ツール市場において、圧倒的なシェアと認知度を誇るZoomとMicrosoft Teams。この2つのWeb会議ツールの違いについて、基本機能・拡張機能・セキュリティ・外部SaaSとの連携・料金まで5つの視点から詳細に比較。企業規模による評価の違いも解説します。
目次
ZoomとMicrosoft Teams、どちらのWeb会議ツールを選ぶべきか?
Web会議ツールにはさまざまあり、ユーザー皆さんはどれを選ぶべきか・すでに選んだツールが正解だったのか、悩みながら日々利用しているのではないでしょうか?
中でも、飛び抜けて普及しているのが、ZoomとMicrosoft Teamsの2つです。どちらもWeb会議ツールとして人気が高く、多くの企業で利用されています。BOXILの2022年調査結果によれば、Zoomが55%、Microsoft Teamsが13.8%であり、現時点でもこの2つのツールが不動のTOP2の地位を築いています。
しかし、両者にはそれぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、どちらを選ぶかは企業のニーズによって異なります。そこで、Web会議ツールTOP2のZoomとMicrosoft Teamsの2つについて、
- 基本機能
- 拡張機能
- 外部ツールとの連携
- セキュリティ
- 料金
の5つのカテゴリーに分けて、それぞれ表にまとめながら比較してみます。
ZoomとMicrosoft Teamsの機能を5つのカテゴリーに分けて比較
1. 基本機能の比較
機能 | Zoom | Microsoft Teams |
会議時間 | 最大30時間 | 最大24時間 |
参加者数 | 最大1000人 | 最大1000人 |
画面共有機能 | あり | あり |
チャット機能 | あり | あり |
ファイル共有機能 | あり | あり |
録画機能 | あり | あり |
まず、ZoomとMicrosoft Teamsを基本機能で比較してみましょう。
最近まで、基本機能面でTeamsがZoomに大きく遅れをとっていました。たとえば、最近まで会議の参加者数上限が300人に限定されていたのは象徴的です。現時点では、ほぼ全ての項目でイーブンに並んだ状況になっています。
それ以外の機能はどちらも充実しており、参加者数、画面共有機能、チャット機能、ファイル共有機能、録画機能など、どちらのツールでも十分な機能を備えています。ただし、比較表には現れない面で、UI UXの分かりやすさから、Web会議に慣れないユーザーにはZoomの方が評価されやすい傾向にあります。
2. 拡張機能の比較
機能 | Zoom | Microsoft Teams |
ウェビナー配信機能 | あり | あり |
アンケートとQ&A機能 | あり | あり |
ホワイトボード機能 | あり | あり |
ブレイクアウトセッション機能 | あり | あり |
ライブ翻訳機能 | あり | あり |
AI(GPT-4)連携機能 | あり | あり |
拡張機能の面でも、当初は先行していたZoomに一日の長がありましたが、最近ではTeamsがこれにキャッチアップしており、遜色のない機能を備えています。
ウェビナー配信機能、アンケートとQ&A機能、ホワイトボード機能、ブレイクアウトセッション機能、ライブ翻訳機能など、どちらのツールでも類似機能を利用することができます。
今後のライブ翻訳機能の拡充や、AI(GPT-4)の活用については、Zoom およびTeams の両方がOpenAI社との連携を発表しています。しかし、中長期的な視点に立つと、大規模言語LLM・GPT-4を開発するOpen AIを関連会社に持つMicrosoftのTeamsに軍配が上がりそうです。
3. 外部SaaSとの連携力の比較
ツール | Zoom | Microsoft Teams |
Slack | あり | あり |
Box | あり | あり |
Dropbox | あり | API連携 |
Office 365 | アドオン | あり |
Google Workspace | アドオン | アドオン |
ZoomとMicrosoft Teamsは、外部ツールとの連携もどちらも充実しています。どちらもSlack、Box、Dropboxなどのツールとの連携が可能です。
しかし、Microsoft Teamsは、Office 365との連携が特に強力な点はここでも魅力となっています。
4. セキュリティ機能の比較
機能 | Zoom | Teams |
---|---|---|
認証技術 | SSO、2FA | SSO、2FA |
暗号技術 | TLS 1.2、AES-256 | TLS 1.2、AES-256 |
データ保護 | データセンターは世界中に分散 | データセンターは世界中に分散 |
ZoomとTeamsは、どちらもTLS 1.2とAES-256暗号化を使用して、データの暗号化と保護を行っています。
また、どちらのサービスもデータセンターは世界中に分散されており、地理的なリスクを分散しています。ホストされるデータセンターをユーザーが選択することもできます。
5. 料金の比較
プラン | Zoom | Microsoft Teams |
無料版 | 40分までの複数人会議 | 60分までのグループ会議(1on1なら最長30時間) |
有料版最安メニュー | 月額1675円/ユーザー | 月額500円/ユーザー |
有料版最高メニュー | 月額2604円/ユーザー | 月額1560円/ユーザー |
ZoomとMicrosoft Teamsは、料金の面でもどちらも手頃です。ただし、有料版については1ユーザーあたりの単価はteamsの方が安価に提供されています。
また、teamsはOffice 365の一部として提供されているため(Microsoft 365 Apps for businessを除く)、すでにOffice 365を利用している企業は、追加料金なしでMicrosoft Teamsを利用することができます。
大企業と中小企業で評価が変わるか?
大企業では、ZoomとMicrosoft Teamsのどちらも、大規模な会議やウェビナーを開催するのに適しています。
しかし、Microsoft Teamsは、Office 365との連携が強力であるため、Microsoft 365をすでに導入している大企業には特に適しています。また、365の利用コストにほぼ内包されているため、導入に当たって新たな費用負担感も発生しません。
ただし、Microsoft 365を法人全体で導入していないことが多い中小企業にとっては、状況が異なってきます。利用単価はZoomの方が高額ですが、中小企業は従業員数も多くないことから、ユーザー単価の差もさほど投資判断に影響は与えません。
Zoomは、Microsoft TeamsよりもUI UXの面で扱いやすいというユーザーからの定評があり、実際に設定も簡単です。そのため、中小企業では、Zoomがより人気があります。
結論
ZoomとMicrosoft Teamsは、どちらも優れたWeb会議ツールであり、現時点では機能差はほぼないと言ってよでしょう。
どちらを選ぶかは、企業のニーズや規模によって異なってきます。大企業では、Microsoft Teamsが適している場合が多いですが、中小企業では、UIUXの扱いやすさも加味してZoomが適している場合が多いと言えるでしょう。